施工前と施工後
- 今回御見積依頼を受けたお客様、東京都練馬区北町付近の住宅街です。築30年前後で、屋根はセメント瓦で外壁は金属サイディングです。破風の素材は木です。
- ちょうど5年前に中古で住宅を購入されて、その時は確か震災の直後でした。丁度、広告かなにかをご覧になって、外構工事の見積依頼を受けました。その時はご縁が無かったのですが、2014年2月15日の大雪で雨樋が破損した時に火災保険に加入されてて、火災保険を申請しましたところ、修理費用が一部賄えそうでした。これを機に屋根を確認してみると、既存の屋根がセメント瓦で棟が地震の影響かわかりませんが、変形していました。まるで、魚の骨みたいに曲がっています。
- セメント瓦は本来は7年~10年で高圧洗浄をおこなって、専用の塗料でシーラー(下塗り)→中塗り→上塗りという方法でメンテナンスしていけばある程度持ちますが、メンテナンスを行わないで、15年、20年経過すると、表面がざらざらになり、雨などを吸い込んで劣化が急激に進み、下地のルーフィングや野地板やざら板を傷めてしまい、雨漏りの原因になります。おそらく前にお住まいになっていた方が、メンテナンスされてなかったように見受けられます。
- ちょうど、工事を行うときに既存の瓦の積み下ろしにパワーユニックを設置したり、2t車を施主様宅に併設しないといけないのですが、とにかく道路幅が狭くて2トンが進入できない状態でして、かなり悩んでましたが、当社は工事を行うときに近隣の皆様にあいさつ回りをさせて頂いてましたり、瓦卸の前も近隣の皆さまに洗濯物を中干し欲しい旨のお願いのチラシを配布したりしてます。それが功を奏したのか、今回かなり幸運だったのは、施主様のご協力もありましたが、近隣のご近所の皆様が裏の私道を使っていいよとおっしゃってくださって、ご近所の皆様総出で荷物までどかして頂きました。これは大変助かりました。
- 雨樋も大雪で変形・破損しましたので、軒樋、竪樋を撤去取替しましました。毎回そうですが、瓦卸の時に近隣の皆さまに大変気を使いました。特に裏がアパートということもありまして、住民の皆様の洗濯物にほこりやゴミが付着しないように、前もって周辺住民皆さまにチラシを投函させて頂きます。また、足場を掛けるときどうしても、隣の敷地に入る場合は前もって、菓子折りをお持ちしてきちんとご挨拶いたします。一番、気を使うのは当社がミスをしたり、ご迷惑をかけたりして施主様と近隣の皆様との関係が悪くならないように、気を使うように心がけます。
パワーユニック設置
- 外部足場、北側と南側を設置して、パワーユニック設置しました。たまたま、私道を貸して頂いたので助かりました。ご近所の皆さまに感謝申し上げます。パワーユニックはきちんと固定します。
瓦卸完了
- 瓦卸完了です。今回はセメント瓦ですので、2t車いっぱいに既存瓦を積載しました。裏の空き地を使わせて頂いたおかげで、車も入れることができて大変助かりました。
清掃状況
- 瓦降ろしを行った後、丁寧にほうきで清掃していきます。瓦桟木も長年の結露、雨漏りでかなり傷んでるので、腐食してる状態です。
- 余談ですが、今回は日本瓦から→コロニアルクワァッドですが、既存の屋根がコロ二アル→既存屋根にする場合は既存のコロニアルが下地が悪くて劣化してる場合は既存のコロニアルを一旦、ハガシたり、撤去したりして、垂木からやりかえます。
既存瓦桟木撤去完了
- 既存瓦桟木撤去状況です。既存瓦桟木は下地をフラットにするため、丁寧に撤去して、下地材の新規ラーチ合板12ミリを設置するのに必要な工程です。黄色で囲った箇所が瓦桟木です。
既存ケラバ傷み具合
- 既存ケラバ傷み具合です。ケラバの部分は屋根の上から見ると一見傷んでないように見えますが、既存瓦を撤去したら、かなり傷んでることがわかりました。もうちょっとで雨漏りしそうな状況でした。おそらく、屋根の形状が切妻の形状なので、妻の部分がどうしても、風・雨にさらされる為、傷みやすいと考えられます。
- 余談ですが、屋根の形状が寄棟の場合の軒先あたりが傷みやすいです。とにかく、日本瓦の屋根の端部(破風・軒先)などは雨風で傷みやすいです。
既存フィルム撤去状況
- 既存フィルム撤去状況です。築30年以上経過した建物の為、野地板の上に貼ってあるルーフィングはルーフィングではなく、ビニール状のフィルムのようです。
- 長年、セメント瓦がある為、直射日光は当たらなかったのですが、日光がセメント瓦に当たって輻射熱で既存のフィルムが膨張、収縮を繰り返し、温度差で結露が発生するのでフィルムが伸び縮んだりして、フィルムが劣化していきます。そうすると、破れたり、破損したりする原因になります。そうしましたら雨漏りの原因になりかねないです。ちなみに、既存のルーフィングが傷んでなければ、そのまま活用して、ラーチ合板を張る場合もあります。
ラーチ合板設置状況
- ラーチ合板設置状況です。既存の瓦桟木を撤去したあとに既存のフィルムを撤去して、不陸整生(凹凸をなくして)してラーチ合板を丁寧に設置していきます。ある意味、ラーチ合板を設置していく作業ほど気を使います。
- ラーチ合板を設置する前は既存の瓦桟木を撤去して、フィルムを撤去した状態ですから、屋根の上には、垂木の上に薄いざら板が張ってある状態です。つまり、ざら板の上は薄いので垂木があるところしか、足をかけたらだめなのです。垂木がない、ざら板の上に足をのせたり、荷重をかけたら、屋根の穴が空きます。
水切り唐草設置状況
- 水切り唐草設置状況です。新規唐草水切りはラーチ合板に直接、新規ルーフィングの下に設置していきます。余談ですが金属屋根の場合は水切り唐草のやりかたは違います。
新規ルーフィング設置状況・完了
- 新規ルーフィング設置状況・完了です。新規水切り唐草を設置したあと、屋根の下から新規ルーフィングを設置していきます。勾配屋根に使用される屋根の下葺き材です。
- 表面塗料により、墨打線がはっきり見えます。夏場はべたつきを押えます。(真夏は屋根の上の温度は高温になるので、アスファルトルーフィングが溶けてべたべたします)21㎡で23㎏の重さですので1㎡あたり、1.1キロになります。単純に屋根の面積50㎡で55㎏搭載してることになります。これで防止性が保てるなら、すごい性能です。
養生状況
- 養生状況です。通常、養生はルーフィング23㎏を張り終えた場合は工務店さんによっては行わない場合もありますが、ルーフィング23㎏設置してある間から大雨の時、雨漏りすることも想定されますので、当社は防炎シートを設置して、垂木で固定して、毎日丁寧に念入りにおこないます。
- よく台風・大風で屋根が飛んだりして、応急処置でブルーシートや土嚢を置いてある現場がありますが、短期的な応急処置してはお勧めしますが、ブルーシート・土嚢は年数が経過すると紫外線で劣化するので、できれば定期的に点検、取替をお勧めします。早めに工事をすることをお勧めします。
COLOR BEST コロニアルクワァッド
- COLOR BEST コロニアルクワァッド、ココナッツブラウン品番CCP221PWを使用します。
- 色は10種類から選べます。今回はココナッツブラウンを選びました。屋根の重さは1坪あたり、洋瓦で160㎏と言われてます。陶器平板で140㎏、コロニアルクワァットは1坪当たり、81㎏前後です。軽い屋根なので減震効果で地震時の揺れを軽減します。
ケラバ加工状況
- ケラバ加工状況です。ケラバはある程度、工場で板金を加工したものを現場の屋根の寸法(ケラバの幅、寸法)で異なりますので、直接、現場加工します。折り返しなど、かなり丁寧に行なわないといけないところですので丁寧に慎重に加工していきます。
- 余談ですが、ケラバのハゼの加工が浅かったり、加工が悪いと大風で飛んだりします。
ケラバ設置状況
- ケラバ設置を実際に取り付けてる状況です。アスファルトルーフィング23㎏の上に垂木を設置して、下で加工したケラバを垂木に巻くように取り付けていきます。
- 余談ですがケラバは屋根で一番、雨、風が当たりやすいところですから、丁寧にしっかり止めないと。特に屋根の形状が切妻ですから、ダイレクトに雨・風があたります。
コロニアルクワァッドスターター設置状況
- コロニアルクワァッドスターター設置状況です。アスファルトルーフィング23㎏を設置した後、寸法だしして、コロニアルにスターターを設置していきます。真ん中から均等割りして、両端で切りもので調整して取り付けていきます。
- ケラバの箇所は①新規ラーチ合板→②新規ルーフィング23㎏→③新規垂木→④新規ケラバ板金→⑤新規コロニアルクワァッドスターターという順番です。軒先の水切り唐草とはやり方が違います。
コロニアルクワァッド設置状況
- コロニアルクワァッド設置状況です。スターターを取り付けた後に、下から順番に設置していきます。釘で四点止めしていきます。雪止めはスターターを取り付けて、真物を一段、取り付けて雪止めを止めていきます。雪止め止めていくとき、三点止めで固定していきます。コロニアルクワァッド定着するれば耐久性、防水性に優れてますが、取り付け設置工事を行う場合に、釘やハンマーであたりどころが悪いと破損する場合があるので設置取付する場合は慎重かつ丁寧におこないます。
- コロニアルクワァッド設置を行うときに、コロニアルクワァッドの1束の束を効率的に置くために既存の屋根の仮で垂木を仮止めします。下段から積み上げるように施工していきますので、垂木はできるだけ、屋根の上に仮止めします。垂木は当然、上の屋根を張るときに邪魔になるので撤去するため、垂木を止める釘は屋根裏の垂木の真に確認して打ち込みます。ですから、施工終了後、雨漏りする心配はないです。赤色で囲ったところが真物のコロニアルクワァッドを切断加工する機械です。
- 屋根の上の方になるとコロニアルクワァッドを切断して切づめ加工していきます。
換気棟穴開け状況
- 換気棟穴開け状況です。穴開けは丸ノコギリで丁寧に開け加工していきます。細かい箇所は金槌とのみで丁寧に整形していきます。丁度、屋根裏の棟木の上に穴があくような感じですね。棟木とラーチ合板のかなり狭い箇所に開口するので、かなり神経を使います。穴開けた後は板金加工していきます。
換気棟穴板金加工完了
- 換気棟穴板金加工完了です、きれいに丁寧に板金で加工整形していきます。
換気棟裏
- 換気棟裏です。熱気がうまく抜けるようになってます。雨水も侵入しないように工夫されています。
新規棟板金コーキング(変成シリコン)
- 新規棟板金の下地材のコーキング状況、垂木のセンターを墨だしして、コーキング(変成シリコン)を打設して、換気棟を設置・取付していきます。
棟板金設置状況
- 棟板金設置状況です。下地材のある程度、新規の棟板金が合うかどうか、何度か合わせて、サイドを釘で止めていきます。
- 棟板金は長年経つと雨・風や結露がでやすいところなので、頑丈に丁寧に施工・取付します。
換気棟設置状況
- 換気棟設置状況です。コーキングで止めた後、電動ドライバー、四点止めしてしっかり固定していきます。
換気棟設置完了
- 換気棟設置完了です。今年の夏が楽しみです。二階の部屋の暑さがかなり緩和されます。
- 今回は換気棟を二ヵ所設置しました。
- とても壮観な出来栄えです。屋根の上はお客様が見えない所なので、丁寧に仕上がって良かったです。
ケラバ仕上がり(東側)
- ケラバ仕上がり(東側)です。破風、ケラバの納まりがかなりいいです。
ケラバ仕上がり状況
- ケラバ仕上がり状況です。ケラバの釘の部分は比較的打ちにくい箇所です。足場がないと、かなりやりづらいところです。