葺替え工事

コロニアル屋根の葺替え工事の全工程の写真と説明です。

コロニアル屋根の葺替え工事


概要
  • 今回は埼玉県越谷市の住宅地にある、築35年~40年くらいのお宅です。屋根材はコロニアルで外壁はモルタルです。一軒家にしては、かなり大きくて、都内の戸建に比べたら一回りくらいは大きいようです。屋根の傷み具合は、おそらく、そんなにメンテナンスされてないような様子です。和室の天井も雨漏りがするらしく、大変ご不便を感じていらっしゃるようでして、通常、コロニアルの屋根のメンテナンスは7年~10年前後で塗装するといいといわれます。今回は傷み具合がかなり進行しているので、施主様に金属屋根の葺き替えを提案させて頂きました。と言っても、今回の屋根の形状はそこそこ複雑ですので、通常の切妻の屋根比べて、材料が多めにかかるようです。通常の切妻の屋根よりは、若干ですが割高になります。屋根の材料を詳しくお話しますと、今回使用する屋根材はニチハ株式会社の横段ルーフきわみです。芯材は硬質ウレタンホーム、ポリエステル塗装高耐食GLメッキです。
  • 通常、屋根の葺き替えの時は、業者さんによっては外部足場を設置しないで施工する場合があるらしいですが、今回はお客様もご理解があったので、足場を架けさせて頂きました。当社は、作業員の安全面を考えて、外部足場は設置します。足場を設置するときに気を遣ったり、注意する点は、通行人の方に配慮することと、近隣のお宅にご迷惑をお掛けしないように配慮して作業します。それと、足場を架ける重要な意味は、屋根の材料や工具を隣のお宅に落下させたりする恐れもあるので、万が一のことを考えて、足場はかなり重要になります。
  • 屋根の葺き替えにあたって気を使った点は、築年数が経過してるので、下地材の垂木が腐食して、釘が効かないか心配でしたが、何か所か試し打ちしてみたら、大丈夫でしたので安心しました。思ったより、下地には雨水は廻ってないようで良かったです。


施工前→施工後の写真
施工前→施工後(1)
施工前→施工後(2)



施工前のコロニアル屋根の状況
施工前のコロニアル屋根の状況1
施工前のコロニアル屋根の状況2

  • 以前に雨漏りの修理を行なった後だと思われます。おそらく、カチオン系で補修したものでしょう。今回、工事するにあたって、屋根に登って点検・確認させて頂きましたが、気付いた点が何点かありました。例えば、コロニアルを試しに歩いてみたら、かなり表面がふかふかしてました。経年劣化が当然、原因として考えられますが、長年の天井裏の熱気や湿気で下地材が傷んでいる可能性もあります。また、コロニアルの下地のラーチ合板が規定より薄いのかもしれません。あるいは下地の垂木の間隔が広いのか?などなど、原因はいろいろ考えられます。


棟板金の状況
棟板金の状況
コロニアルの破損状況

  • 棟板金も下地の垂木が結露や雨水の侵入、そして長年の経年劣化によって、風で剥がれたと思われます。ここまでくると、撤去して下地の垂木から取替えたほうがいいです。
  • コロニアルが破損して、剥がれてる状況です。おそらく、大風で破損したか、外部からの物の飛来と考えられます。



既存棟板金撤去状況
既存棟板金撤去状況

  • 既存棟板金撤去状況です。新規の屋根を施工する時に、既存の棟板金が障害になるため、撤去していきます。既存の棟板金は、コロニアルの屋根材上に垂木を釘で止める状態で、棟板金を下地の垂木に釘で止めてあります。それを丁寧に撤去していきます。



既存軒先唐草撤去状況
既存軒先唐草撤去状況

  • 既存軒先唐草撤去状況です。新規の軒先唐草を設置するため、既存の軒先唐草をツカミ(道具)で丁寧に切断していきます。既存の軒先唐草をそのままで、新規の軒先唐草を設置した場合、既存の雨樋に雨水が入りにくくなる為です。(雨樋を新規交換する場合は必要ない作業です)



新規墨だし状況
新規墨だし状況

  • 分かりづらいですが、新規墨だし状況です。屋根裏の垂木の位置を正確に出していきます。通常、45.5cmピッチに下地の垂木が入ってます。基本的に下地の垂木に屋根材を止めていきます。



新規唐草設置完了
新規唐草設置完了

  • 新規唐草設置完了です。既存の軒先唐草を切断した後に、新規の軒先唐草を設置していきます。



新規ルーフィング23㎏
新規ルーフィング23㎏

  • 新規ルーフィング23㎏設置状況です。順番としては、新規水切り唐草を設置した後に、新規ルーフィングを上から覆うように設置していきます。
    丁度、上の写真が、既存コロニアル屋根材、新規ルーフィング→新規横段ルーフを設置してる、状況です。
    余談ですが、たまに、コロニアルの屋根の棟板金を取り替える時に、既存のルーフィングが屋根用23㎏ではなく、薄い外壁用のルーフィングが設置されていることがあります。それが雨漏りの原因になった場合もあります。



横段ルーフきわみ設置状況
横段ルーフきわみ設置状況

  • 横段ルーフきわみ設置状況です。①新規水切り唐草→②新規ルーフィング→横段ルーフきわみ一段目設置→④横段ルーフ二段目設置と下から、順番に横段ルーフきわみを設置していきます。
  • 雪止めも同時に設置していきます。雪止めは45.5センチで設置していきます。

  • 余談ですが、今回はコロニアルから横段ルーフきわみを設置しましたが、よくお客様から日本瓦を金属屋根に葺き替えるメリットは何でしょうか?と尋ねられることがあります。先に答えからいいますと、屋根が圧倒的に軽くなるので、地震対策に抜群の効果があります。しかし、本来は日本の風土(高温多湿)には、地震を除いては日本瓦が適しています。通常、日本の瓦は下葺き材から通気性がよく、湿気も抜けやすいですし、金属屋根に比べて雨音が気にならないので、メリットはあります。ただ、家の大きさにもよりますが、下葺き材と瓦の重量が合計で3.5トンから4.5トンもあります(100㎡で4.5トンが目安です)。それと、意外と知られてないのが、日本瓦の屋根は瓦だけで100%雨漏りを防いでいるのではないということです。70%は瓦で雨漏りを防いでますが、残りの30%は下葺き材などが防いでいると言われてます。(家の大きさ・形状によりますが、詳しくは、かかりつけの業者さんに尋ねることをお勧めします。)
  • それと、コロニアルで雨漏りしてるお宅がありますが、屋根の上に登ると、コーキングや変成シリコンで補修した跡があります。コロニアルの屋根で雨漏りしてる時は原則、コロニアルが割れてる時で、変成シリコンやコーキングで安易に塞がない方がいいと思われます。基本的に、コロニアルは雨水がコロニアルの隙間から逃げるようになってますので。ただ、コロニアルの屋根で雨漏りしてる場合は①塗装したときなど、縁切りしてないケース。我々工務店はコロニアルの屋根を塗装する時は、サスペンサーや縁切りをすることによって、雨水の逃げ道を作って、水が抜けるようにしますが、塗装職人さんによってはたまに、縁切りをしない塗装職人さんもいます。②下葺き材のルーフィングが規定より薄い材料が使用してる場合。③大雨・大風の時に吹降りといって、激しい場合は雨が屋根の下の方から突き上げるように吹き込んで雨漏りするケースもあります。屋根の形状・条件によってかわりますが、本当に雨漏りは奥深いです。


換気棟設置状況
換気棟設置状況

  • 換気棟設置状況です。換気棟の役割は、梅雨時期や湿気の多い時期に屋根裏の湿気を外部に排出させること。それと一番効果を発揮するのが、真夏の屋根裏の温度は50度を超える場合もあると言われますが、屋根裏に溜まった、熱気を外部に放出させる役割が換気棟にはあります。それと、当然、屋根裏の湿気も取り除く効果がありますから、屋根全体の持ちもかなりよくなります。屋根裏は寒暖差がかなり大きく、過酷な環境ですので、木材の収縮がかなり大きくなるため、換気棟は屋根裏の環境を改善するのに、大変、寄与します。
  • ここまで来ると、全体的にかなり完成に近づいた感があります。ケラバもしっかり取り付けました。屋根の形状が切妻になっており、比較的雨が当たりやすいところなので、ここの部分は今回やりかえて正解でした。それと、今回は破風、外壁、鉄部、笠木など、部分的に補修もさせて頂きました。例えば外壁は、変成シリコンで穴埋め・補修など、破風はケレンして塗装をさせて頂きました。鉄部もケレン、錆止め、塗装といった具合に最低限の箇所だけ、入れさせて頂きました。



雨押えの設置前
雨押えの設置前

  • 押えの設置前です。既存コロニアルにルーフィングを設置します。
  • 破風の部分はのちほど、塗装しました。


雨押えの設置完了
雨押えの設置完了

  • 雨押えの設置完了です。割と雨が当たるところですので、納まりを丁寧に仕上げないといけない所です。


下屋根の笠木新規貼り替え完了
下屋根の笠木新規貼り替え完了1
下屋根の笠木新規貼り替え完了2

  • 下屋根の笠木新規貼り替え完了です。既存の笠木がかなり劣化していたので、既存の笠木の上から、新規笠木をカバー工法で上張りしました。笠木だけ、かなり傷んでましたが、壁面の波板は傷んでなかったのでケレンして、塗装しました。
  • 今回は、横段ルーフきわみの色もグリーンを選んで頂いて、明るく、とてもいい色合いでした。雨漏りも止まって、お客様にも大変満足して頂きました。今回は職人さんにも、足場屋さんにも、大変、協力して頂きました。普段から緊密に連携しているので、多少の無理は聞いてくれたので大変、有難かったです。
  • 横段ルーフのメンテナンスですが、メーカーの10年保証もありますが、もちろん、屋根の耐久性はきちんと規定どおり施工すれば、10年以上は持ちますが、どうしても屋根のうえですから、日光・紫外線が直接当たりますので、日焼けしたりして色褪せします。ですので、お客様のご判断にもよりますが14年~16年前後で塗装されるのもいいかもしれません。(業者さん、工務店により、多少意見が違いますが)





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