変形・破損した雨樋の交換工事
- 今回、現場調査をご依頼頂いたお客様は、神奈川県横浜市港北区の閑静な住宅地でした。早速、現場調査をさせて頂きましたが、どうやら2014年2月14日の大雪で、雨樋が変形・破損したようです。気象庁の過去の気象記録を確認しますと、神奈川県横浜市港北区付近は、2014年2月14日24時から2月15日午前3時までがピークで積雪、28センチぐらい大雪が積もったみたいです。それでも15日は断続的に降雪したようです。
- 毎度のことですが、2014年2月14日の大雪で雨樋が変形してるお宅が以外と多いのですが、雨樋が変形してることに気付いていらっしゃらないお客様が意外と多いようです。当たり前ですが、そこまでご覧になる方はなかなかいらっしゃいません。今回、お問合せ頂いたお客様も、やはり2年ちょっと経過して、大雨で雨樋がボタボタ漏れて気付かれたようです。2014年2月14日大雪直後は、なかなか気付かないものですが、皆さん、お気づきになるのは、大雨で雨樋からボタボタ漏ったりしてから気付かれるケースが多いようです。要因としては、大雪当時は実はそんなに変形してないと思われますが、夏は暑く冬は寒いので、樹脂製が多い雨樋は2年~3年経過する間に温度変化で変形して気づかれるようです。
- ちなみに、2014年2月14日の大雪で、雨樋が変形・破損した場合、加入している火災保険で修理費用を捻出できる場合が多いようです。「もう、2014年2月14日の大雪から大分経過したけど、大丈夫なの?」と思われるお客様が意外と多いようですが、保険会社によりますが認定されるケースがまだ多いようです。ただ、加入されてる保険の内容で免責などがあるので請求する場合はそこに注意して請求・見積もりを作成することをお勧めします。
- なお、共済系はお見舞い金という性質が強い為、修理費用も満額は出ない場合があるので、よく確認したほうがいいです。共済でも、各県・都で査定など違うようですので、正直、加入者寄りと思われる共済とそうじゃない県民共済もあるように見受けられます。余談ですが、火災保険を活用する場合は経年劣化の損害は、認定されないので注意する点と、工務店・業者によっては、降りた保険金で工事する前提ではなく、降りた保険から手数料を30%~40%請求する業者もあるそうです。 それと、現場調査→見積もりの段階から保険で下りそうもない工事を、さも保険が降りるように施主様に話して、実際は保険が降りないなど、後で施主様が自己負担するケースもあるそうです。保険を活用するなら、金額が確定してから、業者・工務店に依頼しましょう。もちろん、保険をあてにしないなら、工事を先行させても大丈夫ですが。
今回の施工について
- 今回は向って、左側の軒樋、右側の軒樋が大雪で変形した部分のみ交換するはずでしたが、竪樋を新設することになりました。理由としましては、家南側の竪樋が向かって右側のみにあることによって、軒樋から来た雨水が向かって右側の軒樋に集中しやすくなってました。通常の雨ですと、そんなに雨があふれる(オーバーフロー)ことなどは起こりにくいですが、ゲリラ豪雨など、大雨が降ったらオーバーフローするおそれがあるので、南側の真ん中に竪樋を新設することになりました。むかって左側のコロニアルの屋根は勾配的に七寸勾配以上ありそうですし、しかも思ったより屋根の面積が広そうです。既存の軒樋が半月ですので、大雨が降ったときに雨水の処分量がそんなに多く処理できないため、既存の軒樋から角樋に変更しました。
- 今回、施工上、注意・留意した点は、閑静な住宅地でしたので、細心の注意を払って足場を組んだこと。なにより、風が比較的強かったので、安全管理に気を使いました。
ビフォー→アフター
軒樋の変形と破損状況
- 大屋根と下屋根の波板の軒樋の変形と破損状況です。分かりづらいですが、大屋根の半月軒樋も変形してます。
- 今回、気になったのが、下屋根の半月の軒樋の金具が止まってる下地が木材なので、木材が腐ってないか憂慮しましたが、幸いなことに比較的傷んでなかったので、大変助かりました。
- もちろん、木部ですから、表面の塗装が浮いて来たりしたら、塗装面をケレン掛けして塗装することが望ましいです。
角樋の設置取り付け
- コロニアル側の屋根の軒樋を、半月から容量が大きい角樋に変更しました。
- 半月と角樋は金具が違いますので、工程としては、
①既存の半月雨樋と既存金具をすべて撤去、
→②新規角樋の金具を設置取付していきます。この時、気を付けないといけないのは、金具は内吊り(角樋に金具が隠れるので、見た目、納まりがいいと思われます)、金具のピッチを45.5センチ間隔に取り付けていきます。
→③新規角樋を取り付けていきます。
施工完了
- 右側の大屋根の半月も、容量を大きくするため、既存半月の雨樋も撤去、金具も撤去して、新規の角樋の金具を45.5センチ間隔で設置していきます。そして新規の角樋を設置取付していきます。大屋根の角樋の雨水は、下屋根の半月の竪樋に直接流れるようにしてあります。コロニアルの雨水も、下屋根の竪樋に流れるようにしてあります。
- 余談ですが今回、コロニアルの屋根がかなり急勾配ですので、雪止めを提案させて頂きましたが、見送りとなりました。今後、それほどの大雪が降らなければ大丈夫でしょう。角樋に変えましたし、金具も内吊りですし、45.5センチピッチにはいってますので。
- お客様も大変喜んでくださいました。工事する前は、「大雨・台風の時には、雨樋から雨がボタボタ漏って大変でした」と、おっしゃっていたので、かなりすっきりしたような感じでした。